英名	Diopside
和名	透輝石（とうきせき）
主な産地	ロシア、ミャンマー、イタリアなど
モース硬度	5.5～6.5
比重	3.2～3.4
色	黒、黄緑色～緑色～深緑色、白～ベージュ、紫色など

ダイオプサイドとは

和名では透輝石（とうきせき）と呼ばれる、カルシウムとマグネシウムを含むケイ酸塩鉱物です。
様々な変種が存在し、黒色、緑色、青色、紫色、茶色、透明など多くの色を有しています。また、その種類によってガラス質の美しい輝きを見せるもの、見る角度によって光彩が変わる多色性を持つものなど実に多くの効果を楽しむことができます。
このことからダイオプサイドの語源はギリシャ語で「透明」を意味する「diopsis」が由来なった説や、「2つ」と「表面」を意味する「di」と「optis」が組み合わさった説など諸説あります。

ダイオプサイドは特性や産地によって多くの名称があり、代表的なもので

クロムダイオプサイド…クロムを含有することにより深く彩度の高い緑色をしたもの
スターダイオプサイド…不透明な黒色で四条の光が見られるスター効果を持つもの
バイオレーン…イタリアで産出される青味がかった紫色をしたもの
マラコライト…黄緑色の明るい色合いをしたもの

などがあります。

特にクロムダイオプサイドとスターダイオプサイドは知名度が高く、ダイオプサイドの中でも人気を二分する存在ともいえます。

クロムダイオプサイドはクロムを含有することで深く鮮やかな緑色に発色します。クロムダイオプサイドの良質なものはほとんどがロシア産で、最高品質のものはエメラルドと遜色がないほどに美しく「ロシアンエメラルド」と呼ばれることもあります。

スターダイオプサイドは別名「ブラックスター」とも呼ばれ、不透明な黒地に光が当たることでマグネタイトの針状晶によりスター効果が見られます。スター効果を持つ天然石は他にもありますが、そのほとんどは六条の光を放つののに対し、十字のような四条の輝きをみせるのはスターダイオプサイドだけの特性です。

ダイオプサイド（特にクロムダイオプサイド）は天然のクラックが多く含まれているものがあります。硬度は低くありませんが、強い衝撃を与えてしまうと割れてしまう場合がありますので取り扱いには十分注意してください。